放射能汚染対策に対する方針の改定

                                                     

2016年4月1日

生活協同組合連合会アイチョイス

理事長  西尾幸造

 

震災により福島第一原発事故による放射能汚染が始まり5年が経ちました。この間、アイチョイスグループ(あいち生協、生協ぷちとまと)では、取引先メーカー、生産者協力の下、2012年5月に放射能検査機器(EMF211型ガンマ線スペクトロメータ)を導入し、測定限界値10Bq/kg以下で、核種を振分け(セシウム134、セシウム137、ヨウソ131※参考数値)、自主検査を続けてきました。また、運用基準に従い外部検査も併用してきました。

アイチョイス取扱商品の中では、2012年度に国の基準値を超える商品が2件(同一商品:群馬県産しいたけ)、基準値内ではあるが微量検出された商品が、2012年度(7件)、2013年度(1件)、2015年度5月時点(1件)となっており、その他商品(99%以上)は不検出となっております。

しかしながら、福島第一原発では、2015年2月に放射能物質を含む雨水が排水路を通じて海に流出している事が発覚するなど、まだまだ安心する事ができません。

アイチョイスグループでは、引続き自主検査及び外部検査を行い、食品の安全性の確保に努め、食物による内部被ばくを低減出来るように努力していきたいと思います。また、組合員、生産者、生協が一体となって支え合い、安全・安心の生活を取り戻す事を目指します。

 

福島第一原発事故以来、アイチョイスグループでは、食品における放射能汚染の実態を把握し、汚染の回避と低減のためのデータ蓄積を目的として取り組んできました。4年が経過し、この間のデータを元に、組合員の要望に応え、少しでも安心して購入して頂けるよう自主基準を設け運用していこうと考えています。

  ・アイチョイスの自主流通基準を新たに設けます

1.国の安全基準はあるものの、個人により体内での影響差はあると考えます。少しでも食物による内 部被ばくを低減する為、自主基準を設け運用していきます。

 

自主流通基準

食品群 国の基準値(単位:Bq/kg) アイチョイスの基準値(単位:Bq/kg)
一般食品 100 50
乳児用食品 50 30
牛乳 50 30
飲料水 10 10

 

 

  • アイチョイスグループの対応

1.自主検査及び外部検査。※放射能検査・運用手順参照

①自主検査…EMF211型ガンマ線スペクトロメータ(シンチレーション検出器)にて、測定限界値10Bq/kg以下で、核種を振分ける自主検査を行います。

外部検査…ガンマ線スペクトロメータ(ゲルマニウム半導体検出器)にて、飲料水、お茶、その他詳細検査が必要な場合、外部にて詳細検査を行います。

②東日本エリア(17都県)にある産地・工場の農産物、畜産物、水産物、それに関わる加工品、乳児用食品を重点的に検査します。また、組合員からの要望や生産者、取引先メーカーの要請については優先的に検査を実施します。

 

2.検査結果についてはすべて公表いたします。

①自主検査及び外部検査の結果につきましては、「不検出(検出限界値)」または「数値結果」で、ホームページ、i-mail(生協連絡版)にて随時報告いたします。

 

3.生産者、取引先メーカーと協力し放射能対策をします。

①放射線が検出された場合、継続検査、追跡検査を行います。土壌検査などをして、放射能対策、低減できるように、生産者、取引先メーカーと取組みます。

②自主流通基準値を上回った場合、継続検査、追跡調査を行い、対策、低減をし、安全が確認できましたら、生産者、取引先メーカーと取扱い再開の検討をします。

 

4.基準値を超えた場合の措置

①自主検査並びに外部検査において、自主流通基準値を上回った場合、該当商品のお届けを直ちに中止します。お届け済みの場合は、ボイスリーチシステム(音声一斉同報サービス)などを活用して、対象組合員の皆様へ回収の依頼をし、欠品、返金といたします。

 

  • 放射能検査・運用手順

1.自主検査

①機器:EMF211型ガンマ線スペクトロメータ(シンチレーション検出器)

②検査基準:測定限界値10Bq/kg以下 核種振分け測定(ヨウソ131、セシウム134、セシウム137)※ヨウソ131については参考数値

③結果についてはすべて公表いたします。

④自主流通基準値内で、放射線が検出された場合、継続検査を行い低減に努めます。

⑤自主流通基準値を超えた場合、お届けを直ちに中止し、組合員の皆様へ連絡をします。その後、外部検査へ依頼します。

2.外部検査

①機器:ガンマ線スペクトロメータ(ゲルマニウム半導体検出器)

②検査基準:測定限界値1Bq/kg以下 核種振分け測定(ヨウソ131、セシウム134、セシウム137)

③結果についてはすべて公表します。

④自主流通基準値内で、放射線が検出された場合、継続検査を行い低減に努めます。

⑤自主流通基準値を超えた場合、お届けを直ちに中止し、組合員の皆様へ連絡をします。継続検査を行い低減に努めます。

 

※飲用に供するお茶は、荒茶又は製茶10g以上を30倍量の重量の熱水(90℃)で60秒間浸水し、40メッシュ相当のふるい等でろ過した抽出液を測定します。乾物(干し椎茸・昆布等)類は、日本食品標準成分表等の水戻しによる水分含量の公表データ(重量変化率)を参考として、必要な水分をあらかじめ添加し計測を行います。また、今後もこのように例外基準を設けられる食品が出た場合は、その都度、対応について協議して、生協としての態度を報告します。

 

  • 自主検査体制と検査結果等の取扱い

情報管理と情報集中、応対品質レベルの安定や組合員の皆様への情報提供の充実のため、以下の担当責任者を任命し運用、対応いたします。

 

☆統括責任者・・・・・・・・・・・・・商品部部長 川口

☆自主検査と検査結果取扱い責任者・・・商品部品質管理室係長 永田

☆放射能関連組合員対応責任者・・・・・組合員サポート室係長 中村

尚、2016年度中のみ、統括責任は小牧事業所所長、牛田が担当いたします。

以上

放射能汚染に対するアイチョイスの方針

 東日本大震災と福島原発事故から1年が経とうとしています。生協の取引企業・生産者
の皆さんは、二次汚染の心配も含め放射能汚染への対応に努力して頂いています。また、
遅々として進まぬ国の対応に不安と憤りを感じています。
 生協も、知識も経験もない中で悩み、刻々と変化する情報や情勢に振り回されながらも、
何とか放射能汚染の対策を進め、組合員の皆さんの不安の声に応える努力を続けています。
 さて、2月8日に開催した生協連合会アイチョイス第5回理事会において、この4月
から適用される国の新たな基準への対応方針と自主検査運用基準の改定を確認し、
3月1日から対応を始めることになりました。組合員の皆さんとも現状を共有し、新しい
国の基準への対応と皆さんの不安を解消するための努力、また、風評を含む放射能汚染の
被害に苦しむ取引企業・生産者の皆様との取り組みなど、組合員・生協・取引先が一緒に
なってこの困難を乗り切るべく、新たな取り組みと放射能検査の強化を進めて行きます
ので、ご理解・ご協力をお願い致します。
●現状認識
 1.原子炉から放出された放射性物質は、広島原爆の168発分相当量(セシウム)と
   言われています。福島から東日本に拡散し、最近の調査報告では、北海道から沖縄
   まで確認されています。また、海洋汚染も顕在化しつつあります。
   土壌汚染から農作物への汚染(移行)は、当初の想定より低いレベルと言えますが、
   品目によって大きく差が出ています。生産者の積極的な取り組みによって、
   その測定値は大きく減少しているとの報告もあります。
   このような状況から、今後長期にわたり、低レベル汚染の商品の流通はもはや避け
   られない、一方、努力によっては汚染レベルを下げることは可能と考えます。
 2.国は、暫定基準値500㏃/㎏の見直しを決定し、4月から、100~10㏃/㎏の
   新しい基準が適用されます。実施後の基準内管理は、メーカー・生産者、小売事業者
   などへの丸投げになることが予想されます。そのため、基準値を超えた商品が流通
   しないよう、メーカー・生産者・生協にそれぞれ独自の対策が必要となります。
 3.全国の生協や諸団体が、自主測定、検査、自主基準など、様々な方法で対応して
   きていますが、1~2の状況や、組合員の皆さんから要望(気持ち・考え方)、生協の
   取引先メーカーや生産者の不安と実害を踏まえ、現状の方針を「再検討」しました。
 4.消費者一般は、汚染の情報を細かく判断して購入しているというよりは、○○県産、
   東日本といった広域での括りで避けようとしているようです。アイチョイスグループ
   の組合員にも、同様の傾向が見てとれます。一方、買い支えようという組合員さんも
   たくさん見えますが、できる限り少なくとの願いはいずれにも共通しています。
    東海各県は行政レベルで目立った対応をしていないためか、放射能対策への
   具体的な意見・要望はそれほど多くは入っていませんが、生協へは選択するための
   産地の問合せは通常の倍以上となっています。
●放射能汚染対策等 経過報告
7月
 外部検査機関による簡易検査を10検体/月を目標に開始
8月
 外部検査機関による簡易検査の取り扱いを定め、組合員へ周知
9月
 取引先企業より、LB200(ベクレルモニター)の提供を受け、生協内での簡易自主検
 査のテスト運用開始
10月
 ①自主検査の運用を定め、問合せ対応責任者、自主検査責任者を任命し、LB200に
  よる予備検査⇒外部検査機関による検査の流れで検査結果公表を始める
 ②10月8日、パルシステム連合会 前理事長 若森 資朗氏を招き、放射能対策、
  原発・エネルギー問題について学習会を開催(アイチョイスグループ幹部、理事、
  一宮生協理事を対象)
 ③10月12日生産研究会果樹部会で各産地の状況・対応について情報交換および、
  生協の対応への協力要請
11月
 脱原発・エネルギー問題に対する方針を理事会で決議
12月
 ①12月4日、協力会役員会で各メーカーの状況・対応について情報交換および、
  生協の対応への協力要請
 ②12月8日生産研究会お茶分科会で各産地の状況・対応について情報交換および、
  生協の対応への協力要請
 ③12月22日アイチョイス専務・部長、あいち生協専務、コープ自然派くらぶ生協専務
  による放射能汚染対策会議を開催、現状認識の共有と国の新基準対応について協議
1月
 ①1月12日生産研究会役員会へ方針と自主検査運用基準の改定(案)を提起
 ②コープ自然派くらぶ生協理事会、あいち生協理事会へ方針と自主検査運用基準の
  改定(案)を提起
2月
 ①2月1日生産研究会総会へ方針と自主検査運用基準の改定(案)を提案
 ②2月8日アイチョイス理事会において方針と自主検査運用基準の改定(案)を確認
●課題とアイチョイスグループの方針
 1.政府の基準値見直しへの対応
  ①政府の新基準に対する評価としては、放射能汚染レベルは、限りなくゼロに近い方
   が良いと考えますが、一方、原発事故による放射性物質の拡散の影響は、日本国内
   ではもはや避けられないのも現実です。新たな汚染の拡がりが次々に明らかになり、
   消費者の不安も拡がる中、問題の解決にはまだまだ課題も多く、長い時間が必要
   です。今回の新基準は、食品による内部被爆を年間1ミリシーベルト以内で設定
   されていますが、本来、外部被爆も含めて1ミリシーベルト以内であるべきです。
   原発事故の影響の大きな地域では、これでは全く不十分といわざるを得ません。
   そのような問題点もありますが、国によってより安全の側に立った基準に
   見直されることについては、一定の評価をしたいと思います。
  ②生協としては、商品の全生産単位毎の詳細検査は事実上不可能(大手量販等では
   外側からの放射線測定だけで検査しているとしているが)であること、汚染の
   全体像がまだ全く見えず、思わぬところで思わぬ汚染が発見されている等もある
   ことから、原則、自主基準は設けず、国の新基準に沿って取り組みます。しかし、
   これまでの生協、生産者・メーカーの自主検査の結果を踏まえ、生協の商品がほぼ
   新基準を満たしていると判断し、国によって実施を予定される4月を待たずに、
   3月から新基準を基本に取り組みを開始します。
  ③組合員の皆さんにさらに安心してもらうため、検査体制の見直しをおこない、
   より精度の高い検査機器を導入し、検査体制の強化を進めます。また、新基準への
   いち早い対応と検査品目数・ペースを増やし、汚染の状況をできる限り正確に把握し、
   正しく伝えることで、問題にきちんと向き合っていく姿勢を示し、さらに信頼を
   高めていきたいと考えています。
 2.協力会(メーカーの会)・生産研究会(生産者の会)と協働し、汚染レベルを下げる
   取り組み
  ①生産者・メーカーとはこれまでどおり協力して行きます。原発事故の影響(風評を
   含む)を受けている産地・取引先を避けるというような姿勢はとらず、検査体制の
   強化と除染や汚染回避の取り組みを進め、組合員・生産者・生協が一緒になって
   この困難を乗り切る努力を続けて行きます。
  ②組合員の皆さんの汚染レベルをできる限り少なくとの願いに対し、汚染レベルを
   継続的に下げたり、汚染回避の努力・取り組みを生産者とともに進めます。
  ③まずは、汚染回避や除染に関する情報収集や、先駆けて取り組みをしている福島や
   関東方面の生協、その生産者の実践事例などを学ぶ機会を作ります。その上で、
   チェルノブイリ被災国での事例、取り組まれ始めた全国の研究機関での実績なども
   学び、汚染回避や除染の具体的で有効な取り組み方針を、作り上げていきます。
  ④汚染回避や除染の努力を続けながら、組合員への報告と場合によっては協力をも
   呼び掛け、東日本大震災支援のアイチョイス標語『思う 支える つながる』を
   具体的に実践することで、組合員・生産者・生協が一体となって支え合い、安全・
   安心の生活を取り戻すことを目指します。困難や傷みもともなうかもしれませんが、
   生協としての原点を見つめ直す機会ととらえ、長期の取り組みとなりますが、共に
   苦しみ、共に悩みながら乗り切って行く決意です。