アイチョイスの放射性物質・残留農薬検査結果アイチョイスでは、安全・安心な商品をお届けするため、商品の残留放射能検査を実施し、
その検査結果について情報提供しています。
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放射能汚染に対するアイチョイスの方針
2012/03/01
東日本大震災と福島原発事故から1年が経とうとしています。生協の取引企業・生産者
の皆さんは、二次汚染の心配も含め放射能汚染への対応に努力して頂いています。また、
遅々として進まぬ国の対応に不安と憤りを感じています。
生協も、知識も経験もない中で悩み、刻々と変化する情報や情勢に振り回されながらも、
何とか放射能汚染の対策を進め、組合員の皆さんの不安の声に応える努力を続けています。
さて、2月8日に開催した生協連合会アイチョイス第5回理事会において、この4月
から適用される国の新たな基準への対応方針と自主検査運用基準の改定を確認し、
3月1日から対応を始めることになりました。組合員の皆さんとも現状を共有し、新しい
国の基準への対応と皆さんの不安を解消するための努力、また、風評を含む放射能汚染の
被害に苦しむ取引企業・生産者の皆様との取り組みなど、組合員・生協・取引先が一緒に
なってこの困難を乗り切るべく、新たな取り組みと放射能検査の強化を進めて行きます
ので、ご理解・ご協力をお願い致します。
●現状認識
1.原子炉から放出された放射性物質は、広島原爆の168発分相当量(セシウム)と
言われています。福島から東日本に拡散し、最近の調査報告では、北海道から沖縄
まで確認されています。また、海洋汚染も顕在化しつつあります。
土壌汚染から農作物への汚染(移行)は、当初の想定より低いレベルと言えますが、
品目によって大きく差が出ています。生産者の積極的な取り組みによって、
その測定値は大きく減少しているとの報告もあります。
このような状況から、今後長期にわたり、低レベル汚染の商品の流通はもはや避け
られない、一方、努力によっては汚染レベルを下げることは可能と考えます。
2.国は、暫定基準値500㏃/㎏の見直しを決定し、4月から、100~10㏃/㎏の
新しい基準が適用されます。実施後の基準内管理は、メーカー・生産者、小売事業者
などへの丸投げになることが予想されます。そのため、基準値を超えた商品が流通
しないよう、メーカー・生産者・生協にそれぞれ独自の対策が必要となります。
3.全国の生協や諸団体が、自主測定、検査、自主基準など、様々な方法で対応して
きていますが、1~2の状況や、組合員の皆さんから要望(気持ち・考え方)、生協の
取引先メーカーや生産者の不安と実害を踏まえ、現状の方針を「再検討」しました。
4.消費者一般は、汚染の情報を細かく判断して購入しているというよりは、○○県産、
東日本といった広域での括りで避けようとしているようです。アイチョイスグループ
の組合員にも、同様の傾向が見てとれます。一方、買い支えようという組合員さんも
たくさん見えますが、できる限り少なくとの願いはいずれにも共通しています。
東海各県は行政レベルで目立った対応をしていないためか、放射能対策への
具体的な意見・要望はそれほど多くは入っていませんが、生協へは選択するための
産地の問合せは通常の倍以上となっています。
●放射能汚染対策等 経過報告
7月
外部検査機関による簡易検査を10検体/月を目標に開始
8月
外部検査機関による簡易検査の取り扱いを定め、組合員へ周知
9月
取引先企業より、LB200(ベクレルモニター)の提供を受け、生協内での簡易自主検
査のテスト運用開始
10月
①自主検査の運用を定め、問合せ対応責任者、自主検査責任者を任命し、LB200に
よる予備検査⇒外部検査機関による検査の流れで検査結果公表を始める
②10月8日、パルシステム連合会 前理事長 若森 資朗氏を招き、放射能対策、
原発・エネルギー問題について学習会を開催(アイチョイスグループ幹部、理事、
一宮生協理事を対象)
③10月12日生産研究会果樹部会で各産地の状況・対応について情報交換および、
生協の対応への協力要請
11月
脱原発・エネルギー問題に対する方針を理事会で決議
12月
①12月4日、協力会役員会で各メーカーの状況・対応について情報交換および、
生協の対応への協力要請
②12月8日生産研究会お茶分科会で各産地の状況・対応について情報交換および、
生協の対応への協力要請
③12月22日アイチョイス専務・部長、あいち生協専務、コープ自然派くらぶ生協専務
による放射能汚染対策会議を開催、現状認識の共有と国の新基準対応について協議
1月
①1月12日生産研究会役員会へ方針と自主検査運用基準の改定(案)を提起
②コープ自然派くらぶ生協理事会、あいち生協理事会へ方針と自主検査運用基準の
改定(案)を提起
2月
①2月1日生産研究会総会へ方針と自主検査運用基準の改定(案)を提案
②2月8日アイチョイス理事会において方針と自主検査運用基準の改定(案)を確認
●課題とアイチョイスグループの方針
1.政府の基準値見直しへの対応
①政府の新基準に対する評価としては、放射能汚染レベルは、限りなくゼロに近い方
が良いと考えますが、一方、原発事故による放射性物質の拡散の影響は、日本国内
ではもはや避けられないのも現実です。新たな汚染の拡がりが次々に明らかになり、
消費者の不安も拡がる中、問題の解決にはまだまだ課題も多く、長い時間が必要
です。今回の新基準は、食品による内部被爆を年間1ミリシーベルト以内で設定
されていますが、本来、外部被爆も含めて1ミリシーベルト以内であるべきです。
原発事故の影響の大きな地域では、これでは全く不十分といわざるを得ません。
そのような問題点もありますが、国によってより安全の側に立った基準に
見直されることについては、一定の評価をしたいと思います。
②生協としては、商品の全生産単位毎の詳細検査は事実上不可能(大手量販等では
外側からの放射線測定だけで検査しているとしているが)であること、汚染の
全体像がまだ全く見えず、思わぬところで思わぬ汚染が発見されている等もある
ことから、原則、自主基準は設けず、国の新基準に沿って取り組みます。しかし、
これまでの生協、生産者・メーカーの自主検査の結果を踏まえ、生協の商品がほぼ
新基準を満たしていると判断し、国によって実施を予定される4月を待たずに、
3月から新基準を基本に取り組みを開始します。
③組合員の皆さんにさらに安心してもらうため、検査体制の見直しをおこない、
より精度の高い検査機器を導入し、検査体制の強化を進めます。また、新基準への
いち早い対応と検査品目数・ペースを増やし、汚染の状況をできる限り正確に把握し、
正しく伝えることで、問題にきちんと向き合っていく姿勢を示し、さらに信頼を
高めていきたいと考えています。
2.協力会(メーカーの会)・生産研究会(生産者の会)と協働し、汚染レベルを下げる
取り組み
①生産者・メーカーとはこれまでどおり協力して行きます。原発事故の影響(風評を
含む)を受けている産地・取引先を避けるというような姿勢はとらず、検査体制の
強化と除染や汚染回避の取り組みを進め、組合員・生産者・生協が一緒になって
この困難を乗り切る努力を続けて行きます。
②組合員の皆さんの汚染レベルをできる限り少なくとの願いに対し、汚染レベルを
継続的に下げたり、汚染回避の努力・取り組みを生産者とともに進めます。
③まずは、汚染回避や除染に関する情報収集や、先駆けて取り組みをしている福島や
関東方面の生協、その生産者の実践事例などを学ぶ機会を作ります。その上で、
チェルノブイリ被災国での事例、取り組まれ始めた全国の研究機関での実績なども
学び、汚染回避や除染の具体的で有効な取り組み方針を、作り上げていきます。
④汚染回避や除染の努力を続けながら、組合員への報告と場合によっては協力をも
呼び掛け、東日本大震災支援のアイチョイス標語『思う 支える つながる』を
具体的に実践することで、組合員・生産者・生協が一体となって支え合い、安全・
安心の生活を取り戻すことを目指します。困難や傷みもともなうかもしれませんが、
生協としての原点を見つめ直す機会ととらえ、長期の取り組みとなりますが、共に
苦しみ、共に悩みながら乗り切って行く決意です。